今回は静岡県御殿場市にありますキリン富士御殿場蒸溜所に見学に行ってまいりましたのでご紹介していきます。
キリン 富士御殿場蒸溜所
日本のウイスキー、ジャパニーズウイスキーと言えば、サントリーの山崎・白州・響が代表的です。
次点ではニッカ(アサヒ)の余市・宮城峡・竹鶴かと思います。
ここまではウイスキーをよく飲まないという方でも知っていたり、耳にしたことがあるメーカー、銘柄かと思います。
その次は?と言うとベンチャーウイスキーのイチローズモルトと言う方もいますが。。
実は大手飲料メーカーのキリンもウイスキーの製造を行っており富士をリリースしています。
歴史は古く1972年にキリン・シーグラム株式会社を設立し、翌1973年に富士御殿場蒸溜所が完成し、ウイスキー製造を開始しています。
1973年は白州蒸溜所と同じ設立年で、50年以上の歴史があります。
ということで、今回はその富士御殿場蒸溜所を見学していきます。
昨年2024年も訪問して見学していますが、今年も訪問してきました。
昨年の様子は『こちら』。

予約方法
見学ツアーは予約制です。
予約なしでも訪れることはできますが、その場合は展示物を見たり、ショップ、有料試飲のみの利用となり、蒸溜所内を見学することはできません。
空きがあれば、当日予約も可能ではありますが、事前に予約をしておくに越したことはありません。
見学ツアーの予約は『オンラインサイト』から行うことができます。
見学ツアーは基本的に1種類のみで料金は500円です。
料金は当日現地にて支払いを行い、予約段階では支払いは発生しません。
土日の予約は埋まりがちなので、予定が決まり次第早めに訪れることをおすすめします。
アクセス
アクセスは御殿場駅から車で20分ほどです。
無料シャトルバスが運行しているので、公共交通機関を利用する場合はこちらを利用して訪れましょう。
平日も運行してくれているのはありがたい限りです。
都内からですとバスタ新宿から御殿場駅までの高速バスがありますので、私はいつも高速バス+無料シャトルバスを利用して訪れています。
見学ツアー開始
蒸溜所に到着後、展示物などをみつつ、見学ツアーの開始時間を待ちます。
それでは時間になりましたので、見学ツアーに参加していきます。
最初にプロジェクションマッピングの映像を見ます。
さすがに内容は昨年と同様でした。
蒸溜・ポットスチル
稼働しているポットスチルはガラス越しで見ることができます。
以前使用されていたポットスチルは間近でみることができ、なんなら直接触ってもOKです。
厚さは10円2枚分とのことです。
昨年も言いましたが、注目したいのは連続式蒸溜機の見学が可能であることです。
稼働しているのは見ることができませんが、実物を見ることができ、触ってもOKなのはこの蒸溜所だけだと思います。
発酵
発酵の様子もガラス越しでの見学となりますので、香りや温度などは直にはわかりません。
比較的最近に導入された木桶の発酵槽を見学することができます。
材質はカナダバンクーバー産のダグラスファーを使用しています。
発酵槽は埋まっていて全体を見ることができませんが、全長としては3.5mあるとのことです。
木桶の発酵槽は温度管理なしで発酵を行い、ステンレス製の発酵槽は温度管理を行い発酵を行っているとのことです。
発酵時間は72時間とのことです。
樽詰め
樽詰め作業は毎日多なっていないとのことですが、この日は運良く樽詰め作業を見ることができました。
樽の種類としてはホワイトオークの180Lサイズのバーボンバレルがメインとのことです。
昨年はなかった、ウイスキーを払い出した後の樽の側面部分を削り出した木片の香りを嗅ぐことができました。
モルトとグレーンの2種類があり、それぞれの違いを感じることができます。
モルトはエステリーで果実系な香りがしました。
グレーンは穀物っぽいまさにバーボンウイスキーのようで、スパイシーさもありました。
熟成
温度管理なしの熟成庫が現在5棟あり、約13万樽が貯蔵されているとのことです。
基本的に熟成庫を見学することはできませんが、2月23日(富士山の日)などに開催される特別見学ツアーでは熟成庫を見学することができます。
いつか行ってみたいですね。
ラベリング
通常のウイスキーの蒸溜所見学では見学することができないであろう、ラベリングの工程も見学することができます。
ラベリングはウイスキーのボトルにラベルを貼る工程です。
ラベルの位置の確認は人の目で行い、かなりの集中力を必要とする作業なので15分交代で行うようです。
試飲
ツアー終了後はお待ちかねの試飲タイムです。
試飲としては『富士シングルグレーン』と『陸』の2種類を頂くことができました。
試飲可能なボトルは昨年と同様でした。
富士シングルグレーン
接着剤のような香り、穀物の甘さ、ガムのような爽快感、バーボンのクセを感じます。
加水をして軽くスワリングした後に5分放置してみるとクリーンでぶどうのような高級バーボンに感じるような味わいが出てきます。
陸
陸はハイボールが合うかと思います。
メープルのような甘さと穀物の味わいを感じます。
しばらく飲んでなかったのですが、改めて飲むと美味しいですね。
今度買います。
有料試飲
見学の後は有料試飲をします。
ラインナップはこのような感じです。
バーなどで飲むよりも安く頂くことができます。
蒸溜所限定のものはありませんが、過去に販売された限定品を試飲することができます。
今回は『シングルブレンデッド2022 マスターピース』、『シングルグレーン 富士 50th Anniversary Edition』の2種類を頂きました。
シングルブレンデッド2022 マスターピース
上の画像左
ブレンデッドウイスキーはモルトとグレーンから構成されます。
富士御殿場蒸溜所ではモルト・グレーンの両方の製造を行っておりますので、1つの蒸溜所でブレンデッドウイスキーの製造が可能となっており、シングルブレンデッドウイスキーと名乗ることが可能です。
この1つの蒸溜所でモルト・グレーンの製造を行うことができる蒸溜所は世界的に見ても珍しいです。
味わいは青リンゴ、穀物系の甘さ、バーボン、ナッツ、少し肉感、少し出汁感、黒糖っぽさとブレンデッドらしい複雑味をしっかりと感じて美味しいです。
シングルグレーン 富士 50th Anniversary Edition
上の画像右
こちらは2023年で富士御殿場蒸溜所が50周年を迎えたことを記念してリリースされたボトルです。
当時の原酒や最近の原酒などがブレンドされた1本です。
穀物の甘さやクセ、高級バーボンに感じるぶどうのような果実感があって美味しいです。
買えばよかった。。
ショップ
続いてはショップです。
ウイスキーとしては各種富士や陸の定番品とグラスやお菓子などが販売されています。
蒸溜所の限定ボトルとしてはシングルカスクのグレーンとモルトが販売されていますので、こちらが目玉だと思います。
各1本300mlで3,980円です。
大手のシングルカスクを購入することができるのはかなりレアですので、富士御殿場蒸溜所を訪れたら購入はマストと言ってもいいのではないでしょうか。
感想
約1年ぶりに富士御殿場蒸溜所を訪問しましたが、アップデートされている内容や前回見ることができない内容があり、非常に満足のいく見学となりました。
次回は熟成庫の見学狙いで富士山の日の特別見学ツアーなどを狙いたいと思います。
2025年もできる限り色々な蒸溜所を巡りたいと思いますので、訪れたらまたご紹介させて頂きます。



