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【蒸溜所見学】ガイアフロー静岡蒸溜所【2024年1月訪問】

ウイスキー
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ガイアフロー静岡蒸溜所

今回は静岡県のオクシズと呼ばれるエリアにあるウイスキーの蒸溜所『ガイアフロー静岡蒸溜所』を訪れます。

静岡蒸溜所 | Shizuoka Distillery | 静岡ウイスキー – 静岡蒸溜所の公式サイトです。 豊かな自然に囲まれた静岡の奥座敷「オクシズ」。南アルプスから流れ出る伏流水は、この大地を潤し、やがて大いなる安倍川へと姿を変え、駿河湾へと流れていきます。動物たちが息づく自然の営みに寄り添うように、ガイアフロー静岡蒸溜所はあります。 季節ごとにうつろう美しい自然の恵みを受けて、ウイスキーはゆっくりと熟成しています。

アクセス

今回は路線バスを利用して訪れました。

静岡駅からの所要時間は約1時間ほどです。

平日11:00からの見学ツアーに参加しましたが、静岡駅9:42発の安倍線上落合行きに乗ります。

奥の原上というバス停で下車すると蒸溜所はもう目の前にあります。

10:45頃には到着しまして、見学ツアーの開始時間(11:00から)もバスの到着時刻に合わせて設定されています。

先に帰りの説明をしますと、見学ツアー終了の時間もバスの時間に合わせて設定されています。

ツアーおよび試飲は13:00頃に終了します。

帰りのバスは下車したバス停ではなく、上助というバス停まで15分くらい歩く必要があります。

静岡駅方面に向かうバスはそこから13:29発ですので少し余裕をもっての到着となります。

徒歩15分ほどですが、基本的に下り坂ですのでそこまで苦ではありません。

雨などの天候次第では嫌な距離ではありますが。。

ただ、正直路線バスで1時間というのは辛いです。

行きも帰りも座ることができたので疲労という面ではまだいいのですが、試飲をしてトイレが近くなっている状態で1時間ぐらいトイレに行けないというのが辛かったですね。。

途中下車しようものなら次のバスは2時間後とかなので、少なくとも他の路線が通っている市街地まで我慢する必要があります。

可能であれば自家用車やレンタカーなど車で訪れることをオススメします。

車で行くとなると試飲することはできませんが、小瓶で持ち帰ることができるようでした。

蒸溜所で飲むことはできませんが、自宅に持ち帰って楽しむことができるようです。

受付

見学ツアーは事前予約制となっていますので、忘れずに予約しておきましょう。

予約は公式サイトから行うことができます。

2階が受付となっており、靴を脱いでスリッパに履き替えて2階へと上がり受付を済ませます。

見学の料金は1人1,100円です。

支払いにはクレジットカードや各種電子マネーも使用することができました。

見学ツアー開始

それでは時間となりましたので見学ツアーの開始です。

発酵槽の下

まずは発酵槽の下を見ることができます。

発酵槽の材質はオレゴンパインが4槽、静岡県産の杉が6槽の合計10槽です。

発酵槽を下から見ることができるのはこの蒸溜所だけな気がします。

仕込み水は近くを流れる安倍中河内川の伏流水を敷地内の井戸から組み上げて使用しているとのことでした。

粉砕

続いてはモルトの粉砕工程です。

室内に入ったら止まってしまいましたが、少しだけ実際に稼働している様子を見ることができました。

ハスク、グリッツ、フラワーなどの粉砕後の様子もサンプルで見ることができます。

粉砕を行う機械、モルトミルには旧軽井沢蒸溜所のものが使用されています。

糖化

マッシュタンののぞき窓から糖化の様子を見ることができます。

麦の殻などが沈殿している様子を間近で見ることができました。

発酵

発酵の様子は実際に発酵槽の中を覗いて見ることができ、香りを嗅ぐことができます。

酵母が働いている状態のものと乳酸菌による発酵が行われている状態の2つを見ることができました。

酵母が働いている方は日本酒のような香りがして、乳酸菌の方はそのままですが、乳酸菌飲料っぽい香りがして、発酵工程における違いを体験することができました。

発酵槽の蓋の裏側にはフィンがついています。

発酵の過程で泡が出てくるので、泡をカットするためにフィンを回しておくとのことでした。

フィンを回し忘れると泡があふれるほどになるとのことでした。

蒸溜

お待ちかねの蒸溜の工程です。

ガイアフロー静岡蒸溜所には2基の初留ポットスチルがあります。

薪直火式蒸溜機

1基目は薪直火式蒸溜機です。

薪直火式蒸溜機は世界でもここだけにしかないため、薪を投下する様子を見ることができるのは世界でもここだけです。

補助としてスチーム加熱も行っているとのことでした。

※画像は公式サイトより引用

こちらを初溜で使用した製品がWというシリーズになります。

薪火を意味するWoodfiredからWと名付けられているとのことです。

旧軽井沢蒸溜所のポットスチル

2基目は旧軽井沢蒸溜所のポットスチルです。

オークションで落札して入手したようです。

もともと4基あったポットスチルから状態の良いパーツだけを厳選して、1基に組み直したとのことでした。

※画像は公式サイトより引用

こちらを初溜で使用した製品がKとなります。

Kは軽井沢蒸溜所からきています。

※画像は公式サイトより引用

また先程のWとKの両方を使用したのがSというシリーズとなり、Sが蒸留所のハウススタイルとのことでした。

ミドルカット

蒸溜を開始して、最初に出てくるお酒はライトな味わいでアルコール度数が高い傾向にあります。

最後の方に出てくるお酒はヘビー・重たい味わいでアルコール度数が低い傾向にあります。

最初と最後には雑味なども含まれますので、これらをカットして真ん中の部分のみを採用するというミドルカットという手法が行われています。

このミドルカットされる前の原酒の香りを嗅ぐことができます。

そして、ミドルカットして採用された原酒をハートと呼びますが、本日はどこからがハートでしょうというクイズがありました。

左から順に蒸溜の最初に出てくる原酒です。

一番左、最初に出てきた原酒は見た目からして濁っていることがわかります。

その隣からは色は透明となりますが、香りを嗅いでみるとやや雑味を感じました。

真ん中以降はウイスキーイベントなどで飲むニューポットのような香りになってきたなと思いましたので、私は真ん中と回答しましたが、正解はその右隣(右から2番目)以降をハートとして使用しているとのことでした。

時間を1つの目安としてはいますが、最後は人間の嗅覚で判断しているとのことでした。

真ん中とその右隣では大きい違いを感じませんでしたが、作り手さんからすると何かしらの違いを感じるのでしょうし、この違いが重要なんだと思います。

熟成庫

ツアーの最後に熟成庫へと向かいます。

熟成庫は広いのでアルコールやウイスキーの香りで満たされているというよりも、バニラのような香りがほのかに香っているという印象でした。

今回は冬に訪れましたが、夏に訪れていたらまた違った印象があるのかもしれません。

熟成庫に空調はなく、温度変化は自然に任せているとのことでした。

外気の温度としては夏は30℃程度、冬は氷点下にならない程度で雪も降らないとのことでした。

熟成庫最大の特徴は天窓があることです。

昼間は電気がいらないぐらいに明るかったです。

熟成を促進させる目的で温度変化が大きくなるように設計されているとのことでした。

気になるエンジェルズシェアは200Lサイズで年間5%~6%、オーナズカスクで使用されるオクタブサイズ(50L)で年間15%ほどとのことでした。

試飲

ツアー終了後は試飲をすることができます。

試飲に関しては基本的に有料です。

ラインナップとしては、ガイアフロー静岡蒸溜所の過去のリリースを一通り頂くことができます。

蒸溜所限定と言いますか、ここでしか飲めない銘柄としてはニューメイクが2種類、プライベートカスク用のサンプルが2種類の系4種類という感じでした。

お値段は300円~1,000円とバーで飲むよりも安い蒸溜所価格という感じです。

ブラックアダーやアスタモリスなどの代理店も努められていますので、それらの一部銘柄も試飲可能とのことでした。

ツアー自体の終了時刻は12:00頃で、試飲は1時間程度の13:00頃までという時間制限がありますが、杯数に関しては制限はないとのことでした。

あくまで試飲としてお使いくださいとのことでした。

ニューメイク

まずはニューメイクの2種類を頂きました。

W(左)はふくよかで若干塩っぽさも感じました。

K(右)はWと比較したら軽い印象で、オレンジっぽいフルーティーな印象でした。

カスクサンプル

続いてカスクサンプルの2種類を頂きました。

K(左)はウッディとバニラの香り、味わいはバニラやワックスのようなコーティング感、余韻にナッツを感じました。

S(右)は香りと味わいにオレンジが強い印象で、余韻にバニラを感じました。

国産

最後に国産大麦を使用したWとKを頂きました。

W(左)はバニラが全開という印象でした。

K(右)はクリーンというか軽い印象で、特定のフルーツっぽさまではなくとも、全体的にフルーティーな印象でした。

ドライバー向けのお持ち帰り

車で訪れた際、当然ですがドライバーの方は試飲することができません。

最初の方で軽く触れましたが、ドライバー向けに試飲代に加えて容器代もかかりますが、小瓶で持ち帰ることも可能という配慮がありました。

私は公共交通機関で訪れましたので、今回こちらは利用していません。

ショップ

ショップが併設されており、ウイスキーやグッズを購入することも可能です。

代理店を努めているフェイブル、ブラックアダー、アスタモリス、アムルット、ハイランドクイーンが数多く陳列されていました。

蒸溜所のものですと、700ml版のコンタクトS、500ml版のブレンデッドMが販売されていました。

その他Tシャツやグラスなどのグッズ販売もありました。

ツアーに参加しますと、555円OFFのチケットを頂くことができます。

ボトルやグッズを3,000円以上購入しないとチケットを使用することができません。

コンタクトSやブレンデッドMは持っているのと、ブラックアダーに関しても気になるものを購入したばかりでしたので、今回はこちらを使用してグッズを購入してきました。

購入品紹介

今回はグラスとコースターを購入してきました。

グラスが2,200円で、コースターが800円なので、ちょうど3,000円で無事にチケットの割引も適用されました。

グラス

グレンケアンにガイアフロー静岡蒸溜所のロゴがプリントされています。

ネックストラップもセットでした。

コースター

糖化の工程におけるモルトの搾りカスであるドラフから作られたコースターです。

感想

写真はOKだけど、動画撮影や録音はNGという蒸溜所が多い中、動画撮影やSNSへの投稿もOKという寛大さに驚きました。

これまで大手ですとサントリーの白州蒸溜所、無料ツアーですが山崎蒸溜所、ニッカの宮城峡蒸溜所、余市蒸溜所、キリンの御殿場蒸溜所を見学して、クラフト蒸溜所では本坊酒造のマルス駒ケ岳蒸溜所を訪れたことがあります。

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こらら6つの蒸溜所と比較しても見学の満足度は高いですし、細かいところや間近で見せて頂けたなと思います。

ただ、大手の蒸溜所のツアーはウイスキーを全く飲まない人も観光スポットとして訪れるので、そういった方向けにゼロからの説明がありますが、今回の見学ではゼロではなく少し知識がないと楽しめないのかなとも思いました。

製造工程や用語など少し知識を身に付けて、もう1歩深く知りたいとか、現場を間近で見てみたいというときに最適な見学だったなと思います。

建物や発酵槽や薪にも地元の木材が使用されており、大麦に関しても国産や静岡県産、酵母も静岡県が開発したものを使用するなど、自然や地元に根ざした取り組みをしていると感じました。

昨年2023年には少し問題視されるようなこともありましたが、酒屋さんから販売されたオーナズカスクなど美味しいリリースはありますので、今後のリリースなどを楽しみにしたいと思います。

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